大判例

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名古屋高等裁判所 昭和29年(う)383号・昭29年(う)395号・昭29年(う)394号・昭29年(う)390号・昭29年(う)388号・昭29年(う)392号・昭29年(う)393号・昭29年(う)387号・昭29年(う)391号・昭29年(う)382号・昭29年(う)385号・昭29年(う)396号・昭29年(う)384号・昭29年(う)389号・昭29年(う)386号 判決

原判決は、被告人中森喜久雄に対し、原判示第八の(一)及(二)の各事実を認定し、之に対し第八の(一)の行為に付公職選挙法第二百二十一条第一項第四号を、同(二)の所為に付同条第一項第一号を適用しているが、原審はその事実摘示により之を併合罪と認めたものと解せられるのに拘らず、併合罪に関する刑法第四十五条等の法条の適用を遺脱し、処断刑を定めないで直に宣告刑を科したことは所論の通りである。而して刑事訴訟法第三百三十五条所定の有罪の判決を為すべき事実に対し犯罪構成要件を規定する法条を擬律し、更に若し刑の加重減免の事由があるときは法令の根拠を示しつつ加重減免を行い、最後に如何なる刑種によつて処断するのであるか、即ち処断刑が判り得る程度に法令の裏付をすることを要するものと解するを相当とする。然らば原判決は被告人中森喜久雄に対し併合罪たる数個の犯罪事実を認定し乍ら、之に対し法令の適用を示すに当り、刑法併合罪の規定を適用して処断刑を定めるの措置に出でず、直ちに罰金刑を以て処断したのは、判決理由中事実認定と法令の適用にくいちがいがあり、畢竟判決の理由にくいちがいがあるものと謂わなければならない。従つてこの論旨は理由がある。仍て原判決中被告人中森喜久雄に関する部分は、爾余の論旨を判断する迄もなく、刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十八条第四号に則り破棄するが、本件は原裁判所の取調べた証拠に依り当裁判所に於て直に判決するに適するものと認めるから同法第四百条伹書に則り次の通り判決する。

(裁判長判事 小林登一 判事 栗田源蔵 判事 石田恵一)

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